新入社員教育と将来像の明示

約1か月後には新入社員が入社する時期となりました。ある調査によれば、新入社員研修を実施している企業は約8割であり、2023年4月の入社式・新入社員研修は7割超の企業がリアルでの実施を予定しているそうです。多くの企業で行われている新入社員研修ですが、その実施理由を聞いてみると、「今までずっと続けてきているものだから」「入社直後は任せられる仕事が無いから」といった比較的消極的な理由もあるものの、「早いうちに社会人としての基礎を身につけさせたいから」といったことがよく聞かれます。

クイズ(○か×か)

  1. 席を外している人あてに電話があった。近くにはいないようだが社内には絶対いるはずなので「少々お待ちください」と言って保留にした。
  2. 応接室にお客様を案内するときは、お客様が動きやすいように出入口の近くを勧める。
  3. 長期間に渡る仕事をしている場合、問題が生じたときはその度に上司に報告すべきだが、順調に進んでいる限りはいちいち報告をしなくてもよい。
  4. 約束の30分前に取引先から電話があった。もうすぐ着きそうだったので「すぐに着きます」と答えた。

上記はビジネスマナーや仕事のしかたに関する○×クイズです。特にマナーは単に知っているか知らないかだけの違いですが、本人が知らないばかりに他人に迷惑をかけてしまったり、誤解を招いたり、時には会社の信用を損なってしまう可能性があります。また、正しい指示の受け方ができなければ、いい加減な仕事や期待とは異なる働き方をしてしまうかもしれません。報告のしかたをとってみても、「タイムリーに」「アラームを鳴らす」「結論から話す」といったポイントを早いうちから意識して報告させるようにしなければ、トラブルの報告が遅れたり、ミスをごまかしたり、本人は一生懸命話しているけど結局なにを言いたいのか分からないことをだらだら話す(無意識的に他人の時間を奪ってしまう)ビジネスパーソンになってしまう恐れがあります。だからこそ、素直で吸収力がある早いタイミングのうちに、最低限のマナーや望ましい仕事のしかたを身につけさせることは本人にとっても会社にとっても大切なことでしょう。

さらには、新入社員には将来どのように成長していってほしいかを具体化し、それを伝えることが効果的です。「現場の雰囲気を良くする監督者になってほしい。だから今から率先して明るい挨拶をするようにしてほしい。」「プロジェクトリーダーになってほしい。だから良いコミュニケーションを学んでほしい。」「営業マネージャーになってほしい。だから対人マナーを身につけてほしい。」 などのように、将来像(会社が期待する役割や人材像)を併せて明示することで本人たちの学ぶ意欲を喚起します。

ある企業では、新入社員研修を入社2~5年目までの社員に担わせています。挨拶や受付応対、名刺交換、電話応対といったビジネスマナーから業務内容までその全てを彼ら彼女らが新入社員に指導することで、指導側である若手社員たちのフォローアップはもちろん、新入社員に対して「来年、再来年、5年後にはこの先輩のように成長してほしい」 というメッセージ(将来像の明示)にもなっているそうです。

弊社では入社後だけでなく入社前研修、また、既存社員に対する受け入れ側の研修もご用意しております。ご興味のある企業様はお問い合わせくださいませ。

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