PMI

M&Aは誰でもできる。しかしM&Aの成功は誰にでもできるわけではない。

“最高のM&A”とは1+1が2になる単純合算型ではなく、1+1が3にも4にもなるシナジー型のM&Aです。
シナジー型のM&Aは「隣県の企業を譲り受けた結果、販売エリアを拡大することができた」「業界シェアが高まり事業展開がしやすくなった」「人材交流によって互いの強みがを共有され、売上増大と人材育成の両面で効果があった」などが挙げられるでしょう。

ところが実際には1+1が1.5になってしまうような価値毀損型のM&Aも珍しくありません。「M&Aの成果が出ていない」、最悪の場合「譲り受けた会社の売却を検討したい」といった声さえ聞かれることがあります。これはM&A成立前の「マッチング」や「エグゼキューション(M&Aプロセスの実行および管理)」も一因にあるかもしれませんが、多くの場合、手段であるはずのM&Aがいつの間にか目的にすり替わり、成立後のPMIに取り組んでいないためです。

すべてのM&AにはPMIがある

M&Aの成果を最大化するのはPMI(Post Merger Integration)です。PMIとはM&A成立後の統合プロセスのことをいい、譲った企業も譲り受けた企業も、真のパートナーとして共に最高のパフォーマンスをあげていくためには欠かせないものです。

PMIは「経営統合」「業務統合」「人材交流」を目的としますが、社内文化や慣習の隔たり、業界や地域の違いなどからそれは一筋縄ではいきません。そこで大切なことはお互いの価値観の違いを認め、お互いを理解することです。経営管理手法や諸制度を片一方に単に合わせるということではなく、将来ビジョンを共有し、譲渡側と譲受側の双方で十分にコミュニケーションをとり、互いに企業価値を高めていく不断の取り組みこそがM&Aの成果を最大化します。
具体的には、特にM&A成立直後においては双方の理解、キーマンへのヒアリング、業務フローの見える化、対処すべき課題の優先順位の決定などが求められるでしょう。

ヒトで決まる

組織変革を図る際もそうですが、PMIは正当性や妥当性、合理性だけではうまく進められない場面が多々出てきます。システム統合とは異なり、そこには人がいるからです。反発・混乱・モチベーションの低下がしばしば現れます。それらを解決するには積極的なコミュニケーションがやはり必要であり、個々人の考えや感情にも配慮しながらも、経営陣の強力なリーダーシップとマネジメントが必要不可欠です。

PMIなくしてM&Aの真の成功はない

中小企業は大企業とは異なりPMIに充分なリソースを投入する余裕など無い場合が多いですが、それでも、M&Aの成果を最大限にもたらすためにはPMIは欠かせません。

「PMIなくしてM&Aの真の成功はあらず」なのです。

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