弊社では人材育成や評価制度・目標管理制度の構築、組織変革等の支援の際には必ず従業員の方々との個人面談を実施します。キーマンのみならず、人数がさほど多くなければ全員と面談を行います。
すると、「面談なんて初めてです」「思っていたことを伝えられて良かったです」と言われることがあります(「お前に話すことなんてねぇ、話して何になる」と言われることもありますが笑)。
中小企業においては「今まで面談などしたことが無かった」「評価はしているが面談はしていない」ということが決して珍しくはなく、最近はコロナによるコミュニケーションロスもあり、弊社が支援を終えた後も自社において定期的に面談を実施していただくことが望ましいと考えています。
一方で、定められた時期に型通りの面談さえしていれば良いというわけではなく、面談者側(管理者・上司)の方々には最低限、以下のことにご留意いただくとより良い面談になるでしょう。
①事前準備を怠らない
事前準備が面談の良し悪しを決めるといっても過言ではありません。例えば評価に係る面談であれば、自己評価と上司評価とのギャップ、そのギャップが生じた原因、努力すべき事項、目標達成に向けたアドバイスなど、予め必要な情報を収集し、話し合う内容を準備して面談に臨む必要があります。面談日を事前に定め、部下に伝えておくことも重要です。
②話しやすい雰囲気をつくる
面談場所は、静かで落ち着いて話し合える場所・環境を選びます。ガヤガヤしている場所を避け、話の途中で中座することのないようにします。可能な限り携帯電話の電源を切っておくこともお勧めします。座席の位置は机をはさんで向かいあう(対立・対抗の位置に座る)のではなく、机の角をはさんで座るか、または並んで座る(対立を弱めて共感を引き出す位置に座る)のが良いでしょう。
③よい聞き手になる
できるだけ相手に話をさせるようにします。理想は「聞く:話す=8:2 (最低でも7:3)」です。相手が話している間は適切に相づち(なるほど・それで・それから)を打ち、途中で話をさえぎったり話を横取りしたりせず、部下の話に最後まで耳を傾けます。部下の言動を批判したりせず、丁寧な言葉づかいを心掛け、部下に「この人には何でも話せる、話しても大丈夫」という印象を持ってもらえるよう努めましょう。
④誠意ある態度を示す
手や足を組むなど横柄な態度にならないよう心掛けます。オフラインであれば貧乏ゆすり、オンラインでは頬杖をつくことやWebカメラの角度にも気を付けましょう。相手の質問には適当に返さず、真剣かつ丁寧に答えます。そのためにも予め必要な情報を収集し、質問を予測して面談に臨みます。
⑤偏見や誤った予備知識は排除する
噂・想像・推測・又聞きによるイメージや先入観は全て取り除き、白紙の気持ちで面談に臨み、事実に基づいた話し合いをします。
「いつも部下と話し合っている、わざわざ改まって面談なんてやる必要がない」という意見もありますが、日常業務の中での話し合いではどうしても上司の発言が多くなりがちであり、当面の問題解決という点に焦点があてられるため、深く突っ込んだ内容や将来的なことなどにはあまり話が及ばないものです。
面談という機会をあえて設け、上司・部下の両者が真剣に話し合いをすることが大切です。