ホウレンソウという当たり前のことができるのは当たり前ではない

先日、とある会社の管理職の方が次のように言っていました。

途中で、自分から途中経過を報告する人間など居ない、ということは十分分かりました。こちらで見て回り、声をかけ、今の状況を聞く繰り返しに尽きます。

これはこの会社に限ったことではなく、「報告をしてこない」「連絡が遅い」「相談が不十分」などといったホウレンソウに関わる悩みを抱える会社は少なくありません。言わずもがな、適宜・適切なホウレンソウは組織の情報共有には必要なことであり、情報を正しく共有することが業務の効率化、組織の活性化、トラブルの軽減、取引先との良好な人間関係の構築に繋がります。ですが、現実には新入社員に限らず中堅やベテラン社員であってもホウレンソウができていない方々が多くいます。なぜでしょうか?

上司に話しかけづらい

飲食業に従事するAさん(20代・男性)は、忙しい上司が眉間にしわを寄せぶつくさと独り言を言う姿を見ていつも怖いと感じていました。勇気を出して「今よろしいでしょうか?」と声をかけると「今は忙しいから後で」と言われることがあり、話ができたときには「なぜそうなったのか」「こうはできなかったのか」と返され、上司に話しかけることがだんだんと少なくなっていきました。

ホウレンソウの仕方が分からない

サービス業に従事するBさん(40代・女性)は、結論ではなく経緯から話し始めてしまうことが癖で、話が冗長であるために上司から報告途中で話を遮られてしまうことがよくありました。また、相談時には自分の意見を持たず泣きつきに近い状態であったため、「自分で考えなさい」と突き返されることもありました。何をどう伝えたら良いのかが本人は分からず、それにより上司への報告・相談をいつも躊躇している状況でした。

必要が無いと感じている

Cさん(30代・男性)は建設業に従事し、社内でも仕事ができると評判でした。一方で本人も「自分は仕事ができる」という自負があったため、独断で仕事を進めてしまうことがよくありました。本人は「仕事に問題が出ていないのだから良いでしょう。トラブルが発生したときは当然報告してますよ。」という考えでした。

このようにホウレンソウをしない、できないのには様々な理由があるものの、その対策としては主に「意識を変える」「ルール化」「コミュニケーションの見直し」が挙げられます。ホウレンソウをしたくてもできない・仕方が分からない部下には、上司は忙しいことや上司が置かれている状況を丁寧に説明したうえでホウレンソウをすることを”お願い”し、必要性を感じていない部下にはホウレンソウがなぜ大事か、なぜ必要かをきちんと理解させます(意識変化)。また、ホウレンソウは3分以内にすることや結論から話すこと、事前に自分の意見をメモにまとめることなどを徹底させ(ルール化)、意識的に部下と雑談をしたり、チャット等のデジタルツールを使うことでコミュニケーションにおける心理的ハードルを下げること(コミュニケーションの見直し)なども有効です。

ホウレンソウを根付かせるには、部下の行動変容を促すための会社としての働きかけと環境づくりが必要です。お悩みの方はお気軽にご相談くださいませ。

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