秘密にしないオープン型のM&A

M&Aは秘密裏に進めることが原則です。ところが最近、特に小規模事業者においては、取り扱う商品や事業内容、社名(商号)までをも最初から全てオープンにして後継者(会社や事業の引受先)を募集し、事業承継を果たそうとする取り組みが始まっています。

地元食材を活かした料理と地酒を提供し県外客のみならず地元客にも愛され続けてきた老舗居酒屋。50年以上も料理の道一筋でやってきた店主は、ご自身の生い立ちや料理にかける想い、後継者に望むことなどを全てオープンにして後継者を募集。「店を畳んでしまって別の人に貸すよりも、後継という形で繋ぎたい。そのほうが次に店をやる人にとってもお客さんにとっても良いんじゃないかという想いがあって、以前から後継者を探していたんだ。」 とのこと。常連客や仕事仲間にも店を第三者に引き継ぎたいということを正直に打ち明けているそうです。
数万本もの花々が咲き誇る植物園を営むオーナーご夫婦もまた全てをオープンにして後継者を募集されました。「園としては形が完成しているので、これから手を入れる必要はほぼないと思います。これだけ作ったものをゼロにする人よりも、若くて田舎暮らしが好きな人、花や自然が好きな人で、園を活かしながら引き継いでくれる人が良いです。」 と、園内の風景をバックにお二人で語るお姿からは、今まで何十年も自分たちの手で園を整備してきた苦労や思い入れがひしひしと伝わってきました。
※上記は弊社がアドバイザーを務めているものではありません。植物園については既に成約済。

今では実際の譲渡希望者がWebセミナーに登壇し、自社(自店舗)の紹介や1日の業務内容、求めている後継者像などを自らの口で話すことで後継者を募るイベントも開催されています。誰が・どこで・どんな事業の後継者を募集しているかをオープンにする事業承継はもしかするとこれから増えていくかもしれません。

私が今住んでいるところは歴史ある商店街通りのすぐ近くですが、シャッターを下ろしているところが少なくありません。ここ数年で賃貸アパートに様変わりしたところもいくつかあります。色々なご事情があったこととは思いますが、私が小さかった頃は賑わっていた商店街の活気が失われつつあることを実感し、寂しく感じます。

日本のM&Aでは初期の検討段階ではどちらかと言えばBS(貸借対照表)が着目されますが、アメリカでは初期の検討段階ではPL(損益計算書)に着目するのだそうです。これは「売手が持っている資産」ではなく、「将来どれくらい稼げるか」や「ポテンシャル」を重要視するからであり、”現在”に着目する日本と”将来”に着目するアメリカとの違いが表れているようです。小規模事業者はM&AにおいてBSだけで検討の俎上に載らないことが多々あります。それは致し方の無いことと思います。その一方で、小規模でも可能性を秘めていると感じる企業があります。その地域では確実に必要とされている店舗があります。オープン型の事業承継では最初から情報公開されているため譲受側にとっては可能性を探りやすく、今までは検討すらされなかった譲渡側にとっても有効な選択肢の一つとなり、結果、今より廃業を減らすことに繋がるかもしれません。 最近は事業転換や事業多角化のため、レバレッジ型(借金を使って大きな会社を買う)ではなくバリュー型(割安のものを安く買う)のスモールM&Aを検討している企業が少なくありません。弊社でももちろんM&A仲介・FAは請け負っておりますが、貴社のご要望や規模、諸条件によっては他社や公的機関、M&Aプラットフォームをご紹介することも可能です。ご興味のある方はお問い合わせくださいませ。

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