今のM&Aには様々な形があります。同業間にとどまらず、まったくの異業種を対象としたM&Aも決して珍しいものではありません。最近は偶然にも「農業」を譲り受ける事例が続きましたので、その一部をご紹介します。
①主力事業の頭打ち。まずはスモールビジネスで多角化へ
建物等維持管理業を営むA社は、近年、主事業に加えて事業の多角化を模索していました。リスクが比較的小さい「食関連」分野でのM&Aを検討していたところ、仕事を通じて農業を営むB社と出会います。B社は常勤従業員数名と季節雇用者を抱え、ブランド農作物を国内外に販売していました。しかし、単独での展開には限界を感じており、規模拡大や販路拡大を目的に事業譲渡を検討。A社は農業改良普及センターへの相談や農業委員会への申請を経て農地権利を調整し、約4か月でM&Aを成立させました。結果として、単独では銀行融資が難しかったB社も、A社の傘下に入ることで資金調達が可能となり、新たな設備投資や月次決算の導入を実現。今では次なるチャレンジへと踏み出しています。
②グループ会社に農業法人を
建設業や不動産業などを手掛けるC社は、農業の将来性を見据え、グループ会社として農業法人を加えることを目指していました。そこで出会ったのが多品目を栽培しつつ営農型太陽光発電事業※で安定収益を確保していたD社です。両社は株式譲渡を前提に協議を進めますが、課題となったのは従業員の継続雇用でした。農地法第3条に基づく許可(農地の賃借権の権利設定)のための農作業常時従事要件を満たすため、キーパーソンである従業員E氏の退職意思が障害となったのです。そこで弊社が個人面談を実施し、E氏の考えを丁寧にヒアリングした上でC社の方向性を共有。最終的にはC社社長との対話を経て、E氏は「恩や義理を大切にしますし、会社から求められることには責任を持って取り組みます」と納得のうえで残留を決断し、M&Aは円滑に成立しました。
※農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備を設置し、営農を継続しながら太陽光発電も行う事業
今回は農業関連の事例をご紹介しましたが、これは決して特殊なケースではありません。事業の多角化、新規事業の開拓、既存事業とのシナジー効果などを狙った「異業種M&A」は今や一般的な成長戦略のひとつです。積極的に異業種へ進出する企業も増え、M&Aはその有効な手段として広く注目されています。
| 譲渡案件 ※譲渡を希望している会社 ・業種/エリア/スキーム | 譲受希望案件 ※譲受を希望している会社 ・譲受希望業種/希望エリア/買手会社の業種 |
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