4月から新年度、という会社や団体は多いことでしょう。
私が本部役員を務めるPTAでは、今まさに新年度の役員決めや総会に向けた準備を進めているところですが、「役員の担い手不足」という喫緊の課題に直面しており、次年度の活動を今まで通りに継続できるかどうか極めて不透明な状況です。
もし、PTAが関わる活動を一切廃止するとしたら、学年行事廃止、広報誌廃止、交通安全当番活動廃止、地域防犯マップの作成廃止、課外活動支援(参加費やバス代の助成)廃止、地域ボランティアへの助成廃止、新1年生へのお祝い品等・6年生への卒業記念品等の支給廃止、体育着回収販売廃止…など、その影響は多岐にわたります。
一方で、PTA活動の担いの多さが保護者にとって大きな負担となり、PTAや活動への参加を敬遠する人がいるということも事実です。
特に近年は児童数の減少に伴い実家庭数、会員数が減少していることもあり、従来の規模での活動を維持することがますます難しくなっています。
ここで迫られているのは、以前からの慣例を続けるために役員を必死に集めるべきなのか、それとも集まった人々でできる範囲の活動を模索すべきなのか、という選択です。
大胆な方法による組織運営の見直し
クラウドストレージサービスを提供するDropboxは、定例会議がとても増え、会社の貴重な存在である技術者が時間の半分以上を会議に使っていることに気づきました。
その対策として、ある日の夜、一方的に全社員のカレンダーから全ての定例会議を削除。
その後、定例会議の開催は2週間禁止され、復活させたいのであればそれ相応の十分な理由が必要という条件を設け、結果、定例会議の数をぐっと減らすことに成功しました。
これと似たようなもので、ECサイトの開設・運営を支援するサービスを展開するShopify(ショッピファイ)は「カレンダーパージ」と呼ばれる大胆な施策を行い、全ての定例会議を廃止したうえで3人以上が参加する新たな会議を禁止。
従業員一人当たりの会議時間を前年同期比で33%削減したそうです。
当初必要であったものが今も必要とは限らない
組織におけるあらゆる活動は、はじめは何かしらの理由が必ずあって始まります。
しかしながら時間の経過とともにそれは古くなり、当初は必要性があったものでも無用になってしまうことがあります。
伝統や前例を重んじるためか、はたまた惰性によってか、無用なものや変えなければならないものを継続することは組織の能力を低めることはあっても高めることはありません。
□ 今やっていることの理由を明確に説明できますか?
□ その活動やプロセスが成果を生んでいるか定期的に確認していますか?
□ 過去のやり方に固執していませんか?
□ 最近、これまでと違うアプローチやアイデアを取り入れましたか?
□ その活動を中止しても支障がないのでは、と考えたことがありますか?
□ 他のメンバーの意見や提案を受け入れる環境がありますか?
□ 環境や状況が変わったとき、活動やプロセスを見直しましたか?
廃棄すべきは廃棄し、新しいものを取り入れる。守るべきは守り、変えるべきものは変える。
従来の活動やプロセスの見直しは簡単ではありませんが、組織は常に新しい状態を維持することが重要であり、慣例にとらわれない柔軟な思考と新たなことを取り入れる勇気が必要です。