サッカーから見える組織の本質

ワールドカップ2026、日本代表がグループ2位で決勝トーナメント進出を果たしました。初戦はブラジル。相手は超強豪国ではありながら、日本の組織力がブラジルの個の力を抑え込めるか、打ち破れるかが見どころだと個人的に感じています。

「組織か個か」では語れない

一方で、サッカーという競技を見ていると、「組織力か、個の力か」という単純な二択では語れないとも感じます。むしろ強いチームほど、そのどちらか一方ではなく、状況に応じて組織と個の両方が同時に機能しています。サッカーには「ボールは人より速く動く」という有名な言葉があります。どんなに足の速い選手でも、ドリブルで運ぶより、正確なパスでつながるボールの方が速い。だから強いチームほど、ボールを動かしながら相手を動かし、ピッチ上に少しずつズレやスペースを生み出し、ゴールへ繋げます。一方で、それでも試合が動かなくなることがあります。相手が組織としてしっかり守備を整え、スペースを消し切っているような場面では、いくらボールを回しても状況を変えられない。そんなときに局面を変えるのが、一人の突破や一瞬の判断、あるいは個のひらめきです。

サッカーと会社組織に共通する構造

このサッカーの構造は、会社にも重なります。業務は分業され、情報も役割も整理されていることで、組織としてはスムーズに動いているように見えます。ただその一方で、現場では「想定していなかった変化」や「前提が崩れる瞬間」があり、そうなると仕組みだけでは対応しきれなくなることがあります。そのとき、流れを変えるのは一人の判断や行動です。つまり、サッカーでも会社でも本質は同じで、「仕組みで流れをつくり、個で流れを変える」という循環があるということだと思います。

リーダーの役割は両方を成立させること

組織に求められることは、「組織を整えること」と「個の判断を信じること」、その両方が自然に機能する状態をつくることです。

組織を整えるとは、単にルールや役割を明確にすることではなく、情報や意思決定が滞りなく流れ、現場が迷わず動ける環境をつくることです。一方で個の判断を信じるとは、すべてを管理することではなく、現場で起きる想定外の変化に対して、その場で判断できる裁量を残すことです。

どちらか一方に寄せてしまうと、組織は硬直するか、逆にバラバラになります。仕組みだけが強くなれば現場の速度が落ち、個の判断だけが強くなれば全体の方向性が揃わなくなる。そのどちらでもなく、両方が噛み合いながら同時に動いている状態が必要になります。

だからこそ、リーダーの役割はどちらかを選ぶことではなく、その両方が成立している状態そのものを保ち続けることです。組織を固定するのでもなく、現場に委ねきるのでもなく、その間で最適なバランスを取り続けることが組織の強さにつながります。

このDMが届く頃、日本がブラジルに勝っていることを強く願います。

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