会社の中には、赤字の仕事を平気で続けてしまう人がいます。それは決して、意図的に赤字を作ろうとしているわけではありません。多くの場合、自分のやっている仕事が「黒字なのか」「赤字なのか」を判断するための基準を持っていないのです。
その結果、赤字を出しても「自分で埋める」という発想には至らず、その赤字を誰か別の人(会社や他の社員)が補填しているという事実にも気づかないまま、同じ仕事を繰り返します。この構造が続けば、会社全体の体力は確実に削られていきます。
「利益を意識している」と「数字を理解している」は別物
一般社員を対象とした研修の場で、「あなたは利益を意識して仕事をしていますか?」と質問すると、ある程度の方が自信をもって「はい」と答えます。しかし実際に、損益分岐点売上高を計算できる人、固定費と変動費を正しく説明できる人は、全体の1~2割程度というケースがほとんどです。中には、「損益分岐点」という言葉自体を初めて聞いたという方も少なくありません。
多くの企業では、ビジネスマナーやコンプライアンス、仕事の進め方は丁寧に教えていますが、「会社はどのように利益を生み出しているのか」「自分の行動が利益にどう繋がるのか」といった、経営の基本となる数字の教育は十分とは言えません。本来は新入社員の段階から、固定費・変動費、損益分岐点、利益が生まれる仕組みを理解しておくことが重要です。この基礎があるかないかで、その後の仕事への向き合い方は大きく変わります。※弊社の新入社員研修ではこの部分についても教育しますので、ご興味のある方はお問い合わせください。
数字を教えずに意識だけを求めると、現場は動かない
経営に関わる基本的な数字を理解していないまま、「原価意識を持て」「利益を意識しろ」と求めても、結果として具体的な行動に繋がらない抽象的な指導に終始してしまいます。管理職が現場に向かって「原価意識が足りない」「もっと利益を考えて行動しろ」と叱咤すると、社員は決まって「申し訳ありません」「気をつけます」と答えます。返事は素直でも、何をどう変えればよいのかは分かっていません。そのため、同じ問題が繰り返され、経営側と現場の間に見えない溝が生まれていきます。
ところが、損益分岐点や固定費・変動費の考え方を理解すると、「そういう仕組みだったのか」と仕事と数字が結びつき、行動の質が変わり始めます。
現場と経営を繋ぐ「MQ会計」という選択肢
経営は、社長や一部の管理職だけが担うものではありません。一人ひとりの社員が、自分の立場で数字を理解し、経営への関わりを深めていくことで、組織全体の力は大きく高まります。 そのための有効な手法の一つに、MQ会計というものがあります。MQ会計とは、管理会計を専門知識のない人でも理解できるように、売上、変動費、固定費、利益をストラック図表で可視化した考え方です。これにより、損益分岐点を感覚ではなく構造として捉えられるようになり、「どうすれば赤字を避けられるのか」「どうすれば自社の利益を最大化できるのか」という判断と行動に繋がっていきます。
数字が分かると、仕事は受け身から主体的なものへと変わります。MQ会計にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
















