面談のポイント

先日、従業員との面談の場に同席をさせていただく機会がありました。人事評価制度の運用などのために個人面談を実施している企業も多いと思いますが、一方で面談が形骸化していたり、面談内容は管理者にお任せ、という企業も少なからずあるように見受けられます。面談における主なポイントは次の通りです。

①まず上司がリラックスする

打ち合わせでもするように気楽に「さあ始めよう」と切り出したり、雑談を交えたり、飲み物をすすめることも場合によっては必要です。

②部下の立場に立って話し合いを進める

一番大切なことは、上司が部下の味方であること、誠意を持って話し合いに臨んでいることを態度で示すことです。部下のことを真剣に考え、協力して問題を解決していこうという姿勢を示すことが大切です。多くの場面で、上司は部下を権力によって押さえ込もうとしがちであり、理解はしていても無意識に会話に出てしまうものです。威圧感を与えず、人間としてお互いに平等であることを意識します。

③部下の話を忍耐強く聞く

まず部下に最後まで話をさせます。途中で「それはもう聞いたからいい」と話をさえぎったり、「それはこうなったんだろう」と話を横取りしたりすると、「何でも話せる」という印象を失わせてしまいます。部下の話に最後まで耳を傾けることが大切です。決して部下の言動を批判したり、途中で評価したりしないよう注意します。

④ポイントを決めて問題を深めていく

部下からの説明を一通り聞いた後で、上司は自分のメモに従って一つひとつ質問し、問題を深めていきます。この場合、たたみかけるような質問はせず、部下に十分考える余裕を与えながら進めます。

⑤部下に改善点・解決策を考えつかせる

部下が自分で考えたこと、決めたことは実行しやすく身につきやすいものです。はじめに、どうすべきかについて本人に具体的な対策があるかどうかを尋ねて、それを説明する機会を与えます。本人に具体的な対策がないようであれば、「どのようにしたらよいと思うか」を尋ねます。部下が考えも対策も持っていない場合には、「こういう風にしたらどうか…」と提案し、相手の意見を聞くようにしながら具体的な対策を明確にしていきます。

⑥話し合いに遠慮は禁物

常に「事実はどうであったか」を話し合いの中心に置きます。まな板に載せるのは、問題のある行動や事実であり、人物ではありません。上司は部下の味方であり、部下のことを真剣に考え、協力して問題を解決していこうという姿勢を示す限り、どんな事柄でも話題に取り上げて構いません。遠慮は禁物です。上司は褒めるべきは十分に褒め、注意すべきことは遠慮せずに注意します。

⑦最後に

「もう他に何もありませんか」と念を押し、なければ「今までの話をまとめると…」と、話し合ったこと、指導したこと、要望事項をお互いに確認します。そして、上司としてあらゆる協力を惜しまないことを伝えます。

面談が億劫だという管理者も少なくありませんが、管理者にとっても、部下の行っている現在の仕事の総点検と確認ができ、部下の仕事ぶりや考え方への理解が深まり、管理者として役立つ情報を得るまたとない機会となります。少しでも参考になれば幸いです。

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