ミドルマネージャーに必要なのはリーダーシップ?

先日に参加した講演会のなかで、約600人の従業員を抱える経営者がミドルマネージャーの重要性を説いていました。『ミドルマネージャーは、経営者が言っていることを、その熱量を下げずに自分の言葉で従業員に伝えていく必要がある。』 『優秀な会社は、ミドルマネージャーが常に「ウチの代表は・・・」と経営者の言葉を借りて従業員に語りかけている。』 ということでした。
一般に中間管理職と言われるミドルマネージャーには、経営者の単なる追随者ではなく、経営者(方針)の理解者であり推進者であることが求められます。
つまりはフォロワーシップの発揮であり、経営者が掲げるビジョンや目標をきちんと理解し、その解像度を上げてメンバーに繋げていくことが役割であると同時に、メンバーから好かれるでも嫌われるでもなく、信頼される人であることが重要です。

※当事者意識を持って、組織や上司と行動する意識と行動。『The Power of Followership(1992年)』ロバート・ケリー教授

ミドルマネージャーとして良きフォロワーシップを発揮するためには、以下の点が大切です。

経営者を知る経営者が物事を捉えたり考えたりする範囲や時間軸はメンバーよりも広く、長くなるのが通常です。経営者の責任範囲や役割はもちろん、経営者が見ている視点を時間軸とともにしっかりと把握することで、経営者と信頼関係を築き、適切なフォロワーシップを発揮しやすくなります。また、経営者の興味関心などを知ることも重要です。
小まめな報連相自律的に思考・判断できることは望ましいですが、報連相が不足すると経営者の視点や判断を正しく把握することができなくなってしまいます。幅広い領域に責任を担う経営者の課題感や興味関心は組織メンバーが思っている以上のスピードで変化するため、小まめな報連相を通じてキャッチアップすることが大切です。
コミュニケーション力単なる会話力ではなく、相手の話を理解する力や伝える力、気配りする力も欠かせません。
業務スキルの強化実際に仕事を進めるスキルや自分や組織の生産性を高め仕事を改善していく能力が重要です。
メンバーを
巻き込む力
経営者に代わってメンバーをまとめ、巻き込んで目標を達成するため、全員のベクトルを合わせる力が必要です。しかしながら同じ目標を掲げ同じ内容の指示・命令を出しても、誰が言ったかでその影響力は大きく異なることが往々にしてあります。「●●さんが言うんだから一生懸命やろうぜ!」となるためには、メンバーから信頼される人物であることが前提となります。

フォロワーシップを提唱したロバート・ケリー教授によれば、リーダーが組織の成果に及ぼす影響力は10%~20%程度であるのに対し、フォロワーが及ぼす影響力は80%~90%にのぼるとされています。
リーダーシップを高めたいとは思っても、フォロワーシップについてはそうでもないケースが多いように見受けられます。
リーダーでもありフォロワーでもあるミドルマネージャーこそ、フォロワーシップを高める必要があるでしょう。

フォロワーシップを高めるには、まずはミドルマネージャーがどのタイプのフォロワーなのかを知ることも重要です。
フォロワーシップは、模範型、順応型、実務型、孤立型、消極的の5つのタイプに分類されます。

例えば順応型は、指示通りに動いてくれる従順なタイプである一方でイエスマンになっている場合があり、ミドルマネージャーが順応型ばかりの場合は、組織の発展がトップの能力値以上に伸びないという弊害も起こりえます。
そのような場合には、「どのような意見をしても評価が下がることはなく、むしろ積極的な意見が求められている」という認識を持たせたり、意図的に意見を尋ねる機会をつくるなどの対策が必要になります。
弊社ではリーダーシップ研修以外にフォロワーシップ研修も実施しています。
ご興味のある方はお問い合わせくださいませ。

関連記事

  1. 新入社員研修を実施しました

  2. 組織文化は一日にして成らず

  3. アメとムチに頼らないリーダーシップの在り方

  4. 人を動かす基盤は人間的影響力

  5. 部下へのコメントを効果的なものにするには

  6. 新入社員の育成を疎かにしてはならない

  7. MQ会計_202020

    とっても簡単!MQ会計!!

  8. 丸投げしよう!!

最近の記事 おすすめ記事
PAGE TOP